Bot 互換バージョン

Bot 互換バージョンには、Bot のコンパイルに対応した内部バージョン管理が用意されており、特定の機能について異なる実行時動作を追跡するのに役立ちます。互換バージョンは、ブレーキング チェンジの際 (コードのある部分を変更することで、他の部分に潜在的な問題を引き起こす可能がある場合) に、後方互換性を維持するために役立ちます。

利用可能な互換バージョン

Control Room が配置されているデバイスでは、Bot のコンパイルが行われます。通常、デプロイ モデル (オンプレミス の場合は Windows、クラウド の場合は Linux) に応じて、Windows デバイスまたは Linux デバイスを使用します。

要件に合わせて、以下のバージョンのいずれかを選択してください。
バージョン 説明
1 Bot のファイル パスは、コンパイル時に解析されます。
2 Bot のファイルパスは、Bot を実行しているデバイスに応じて、Bot 実行時に解析されます。

たとえば、UNC (汎用名前付け規則) のパス フォーマットは、Windows と Linux で異なります。このバージョンを選択すると、コンパイル時ではなく、実行時にファイルパスを解析するように Bot コンパイラーにメッセージが送信されます。

3 Bot で使用されるグローバル値は、Bot の実行全体の共有キャッシュを使用して子 Bot に引き継がれるため、Bot の実行時間が短縮されます。
4
  • 親と子の Bot を含むオートメーションが失敗した場合、拡張エラーのメッセージで子 Bot のエラー詳細が表示されます。
  • セッション名が変数で定義されていても、DLL セッションが存在するかどうかを確認します。
5

(デフォルト)

  • 親と子の Bot を含むオートメーションが、子 Bot の変数のパラメーター マッピングの不一致で失敗した場合、適切なエラー メッセージに子 Bot からのエラー詳細が表示されます。
  • 割り算を行う場合は、小数を含み 9 桁以上の数字がサポートされます。
注: [Bot 互換バージョン] が [5] に設定されている場合は、数値演算の精度を高めるために [有効化された改良版数字サポート] チェックボックスをオンにします。

Bot 互換バージョンの設定

Bot Creator は、Bot 互換バージョンをプライベートワークスペースで設定できます。
  1. Control Room にログインします。
  2. プライベートワークスペースで、バージョンの設定対象の Bot を選択します。

    Bot が編集モードで開きます。

  3. アクション メニュー (縦の 3 点リーダー) から、[詳細設定] を選択します。
  4. [Bot 互換バージョン] が [1]、[2]、[3] または [4] に設定されている場合は、Bot のパフォーマンスを向上させるために [5] (デフォルト バージョン) に設定することをお勧めします。親 Bot とすべての子 Bot で [Bot 互換バージョン] が [5] に設定されるようにします。
    注: 各バージョンは、旧バージョンの機能に新しい機能が加えられています。最新バージョンとなる「5」を選択すると、過去のバージョンの機能をすべて利用することができます。
  5. 任意: [高度な機能] フィールドの [有効化された改良版数字サポート] チェックボックスをオンにします。

    この設定によって、新しい Bot の浮動小数点数 (小数点以下の値を含む正負の整数) の正確な計算が可能になります。

  6. Bot エディターに戻り、Bot を保存します。

移行した Bot の互換バージョン

Enterprise 11 から Automation 360 に移行した後で、宛先のパスから AAApplicationPath を削除した場合、Bot は失敗する可能性があります。この問題の解決方法については、「移行した Bot および互換バージョン」を参照してください。