レコーダー パッケージ は、プロセス内の一連のタスクをキャプチャし、それらを自動化します。レコーダー を使用して、テキスト ボックス、ボタン、テーブル、ラジオ ボタン、コンボ ボックス、リスト ビューなどのアプリケーション オブジェクトで実行される アクション をキャプチャして、ビジネス アプリケーション (デスクトップ、Web、SAP、Java アプリケーションなど) を自動化できます。

Automation 360 では、ユニバーサル レコーダーAISense Recorder の 2 つのレコーダーを使用できます。

ユニバーサル レコーダーAISense Recorder を使用する状況

ユニバーサル レコーダー
ユニバーサル レコーダー は、クリック、読み取り、書き込みなどのインタラクションをビジネス アプリケーションのユーザー インターフェース オブジェクトとともに記録する場合に使用します。オブジェクトをキャプチャした後、そのオブジェクトで実行する アクション に関する要件を指定できます。

たとえば、ハイパーリンクをキャプチャした場合、リンクをクリックしたり、リンク テキストを取得するアクションを選択できます。同様に、テーブル オブジェクトをキャプチャした場合は、テーブル オブジェクトから行の総数を取得するか、各行を 1 つずつ取得してそこにある アクション を実行するかを指定できます。これは、座標、画像、キーストロークなどではなく、ユーザー インターフェース オブジェクトで実行されるため、最も信頼性の高いオートメーション形式です。

AISense Recorder
AISense Recorder は、Citrix を通じて公開されるアプリケーションまたは RDP を通じてアクセスされるアプリケーションで Bot を構築および自動化する場合に使用します。また、オブジェクトベースのオートメーションが困難なレガシー アプリケーションの Bot を構築およびオートメーションにかかる時間を短縮することもできます。

画面解像度、ブラウザ、ユーザー インターフェースの変更に対するレコーダーの復元性により、ビジネス アプリケーションにわたってタスクを記録する際の制限と障害が軽減されます。

キャプチャ アクション

[キャプチャ] アクション を使用して、ユーザー インターフェース (UI) オブジェクトとのインタラクションをキャプチャします。この アクション により、Bot の構築時に単一のインタラクションを追加できます。
注:
  • バージョン 11.3 以降、オブジェクト クローニング コマンドは [キャプチャ] アクション に置き換えられました。
  • 対応ブラウザのいずれかで、コンピューターへのログインに使用したユーザー アカウントとは異なるユーザー アカウントでウィンドウを開くと、レコーダー がコントロール アクションを正確にキャプチャし再生できない場合があります。

[キャプチャ] アクション の使用

同じフレーム ソースの複数の IFrame や、Google Chrome および Microsoft Edge Chromium ブラウザで実行時に動的に読み込まれる IFrame を持つクロスドメイン IFrame 内のオブジェクトをキャプチャおよび自動化できます。クロス ドメイン IFrame 内のオブジェクトをキャプチャした後、フレームのパスが [FrameDOMXPath] プロパティにデフォルトで格納されます。

Microsoft Edge Chromium 上で IE モードで実行される Java Web アプリケーション、 および Citrix Workspace アプリからアクセスされるアプリケーションを自動化できます。

新しい [FrameDOMXPath] プロパティは、オブジェクトが配置されているフレームを識別します。Bot を正常に実行して、クロスドメイン IFrame のオブジェクトを自動化するには、このプロパティを選択する必要があります。
注: 検索条件から [FrameDOMPath] プロパティを消去すると、レコーダー はフレームの識別に失敗します。
Important: Google Chrome ブラウザでは、クロスドメイン内のオブジェクトをキャプチャして自動化し、同じフレーム ソースで複数のフレームを使用できます。
Google ChromeMicrosoft Edge Chromium、または Mozilla Firefox ブラウザで Web ページを自動化する際に、表示されるポップアップ ウィンドウ、アラート ダイアログ ボックス、確認ダイアログ ボックス、プロンプト ダイアログ ボックスをキャプチャできます。
Recommendations:
  • Web ページのアラート ダイアログ ボックスを自動化する場合は、[レコーダー] > [キャプチャ] アクション の前に遅延を追加することをお勧めします。これは、アラート ダイアログ ボックスが遅延の後にアプリケーション ウィンドウに表示されることがあるためです。
  • SAP アプリケーション上のオブジェクトを正確にキャプチャまたは自動化するには、スクリプト記述を有効にすることをお勧めします。スクリプト記述が有効でない場合、Bot ランタイム ウィンドウの下に以下のプロンプト メッセージが表示されます。

    SAP スクリプトは無効です。スクリプトを有効にすることで、より確実なキャプチャが可能になります

    スクリプト記述を有効にしない場合、SAP テクノロジーを使用する代わりに、レコーダー は、オブジェクトのキャプチャに MSAA テクノロジーを使用します。

オブジェクトのプロパティ

キャプチャするオブジェクトを選択すると、実行時にオブジェクトを特定するために、ユニバーサル レコーダー によってオブジェクトのプロパティのデータが収集されます。オブジェクト プロパティで以下の操作を実行できます。
  • キャプチャしたオブジェクト プロパティが意図したオブジェクトと一致することを確認します。

    たとえば、Web サイトからテーブルをキャプチャする際は、[コントロール タイプ] と [HTML タグ] の値が [TABLE] であることを確認します。

  • プロパティ値を取得します。[プロパティを取得] アクション を使用して、[プロパティ名] フィールドにプロパティの名前を入力するか、使用可能なプロパティのリストからオブジェクト プロパティを選択します。このリストには、[オブジェクト プロパティ] テーブルの検索条件から提案されたプロパティ値が含まれています。プロパティのリストからオブジェクト プロパティを選択するには、マウス ポインターを [プロパティ名] フィールドの右側に移動し、矢印をクリックします。

    たとえば、リンクのテキストを取得するには、[プロパティを取得] アクション を使用して、[プロパティ名] フィールドに「HTML InnerText」と入力するか、プロパティのリストから [HTML InnerText] を選択します。

  • Bot のプロパティの組み合わせを選択して、ビジネス アプリケーション ウィンドウでオブジェクトを一意に検索できます。

レコーダー パッケージ の検索アルゴリズムにより、Bot を実行したとき、オブジェクトは、そのプロパティが [オブジェクト プロパティ] テーブルで選択されている検索条件と完全に一致する場合にのみキャプチャされるようになります。オブジェクトのプロパティが検索条件と完全に一致しない場合は、Bot はエラー メッセージを表示して失敗します。ただし、検索条件にワイルド カード文字が含まれている場合には、Bot は検索条件に一致する最初のオブジェクトをキャプチャします。

たとえば、検索条件として [HTML 名] を選択した場合、firstname1firstname2firstname3 と名付けられた 3 つのテキスト ボックスを有するアプリケーションから 1 つのテキスト ボックスをキャプチャするために、HTML 名フィールドに firstname を入力し、Bot を実行すると、Bot はエラー メッセージを出して失敗します。なぜなら、firstname という HTML 名のテキスト ボックスが存在しないからです。しかし、[HTML 名] フィールドに firstname* を入力して Bot を実行すると、Bot は、条件に一致する最初のテキスト ボックスをキャプチャします。

注: この機能は、Automation 360 v.23 以降の 2.4.0-20211016-070100 バージョンの レコーダー パッケージ を使用して作成する Bot で利用可能です。以前のバージョンの レコーダー パッケージ を使用して Bot を作成した場合、この機能を使用するには、オブジェクトを再キャプチャする必要があります。

キャプチャしたオブジェクトで実行するアクション

オブジェクトをキャプチャした後、実行時にオブジェクトで Bot が実行するアクションを指定します。たとえば、ハイパーリンクをキャプチャするときに、ボタンをクリックすることやリンクのテキストを取得することができます。すべてのオブジェクトの表および可能な操作については、「ユニバーサル レコーダー でキャプチャされたオブジェクトに対して実行されるアクション」を参照してください。
注: Internet Explorer からオブジェクトをキャプチャする Bot を実行しているときにエラーが発生し、エラー メッセージが Google Chrome に関するものである場合は、「Your Chrome Plug-in is either not installed or disabled (A-People login required」を参照してください。

バックグラウンド処理

バックグラウンド処理は、フォアグラウンドでのアプリケーションとの対話 (マウス クリックなど) を伴うオートメーションを、バックグラウンドで実行できるようにするものです。ターゲット オブジェクトの可視性を高め、Bot の精度を向上させるために、バックグラウンドで実行するオプションを使用することをお勧めします。次の アクション はバックグラウンド処理に対応しています。
  • クリック
  • テキストを設定
  • テキストを取得

安全な記録

安全な記録モードが有効になっている場合、Bot はキャプチャ後にターゲット オブジェクトの画像を表示しません。これにより、機密データが表示されることはありません。
注: Bot はキャプチャ後にターゲット画像を表示しませんが、画像は Bot を実行するのに必要であるため、Control Room に保存されます。

安全な記録モードでタスクを記録すると、[プレビュー] ウィンドウにキャプチャされた領域が一時的に表示されます。この画像は、Bot エディター ウィンドウ外に移動したり、ウィンドウを更新すると非表示になります。

管理者権限を持つユーザーは、この設定を有効にする必要があります。「設定」を参照してください。

プロキシ サポート

デバイスがプロキシで構成されている場合、この パッケージ からのすべてのアウトバウンド リクエストはプロキシ サーバー経由でルーティングされます。「Bot エージェント とプロキシの設定されているデバイスの接続」を参照してください。

レコーダーのユース ケース

以下のサンプル タスクは、Bot の構築でレコーダーを使用する方法について紹介しています。